授業いろいろ ~ボランティア編
養成講座受講中、または受講終了後にまずは日本語を教えている場の雰囲気を味わいたい、経験を積みたいという人は、地域のボランティア教室へ行ってみてはいかがでしょうか。グループによって参加条件は様々だと思いますが、百聞は一見に如かず。いい経験になると思いますよ。
④ボランティアで大人にプライベートレッスン(挨拶程度)
どんな学習者?どこで?
娘が幼稚園に通っていた頃、日本語が全然わからないお母さんがいると聞いて、園長先生に日本語を教えましょうかと申し出ました。幼稚園の一室を借りて、月に1、2回1年ほど。
ホワイトボードはないし、1対1なので、用意したプリントを一緒に見たり、その場で必要なことを紙に書いて見せたりしながら進めました。
日本に数年住んでいたにも関わらず、日本語を勉強する機会もなく生活していたママさんです。ご主人はこのママさんと同じ国の出身ですが、日常会話はまあまあできていました。子どもを病院に連れて行くときはご主人が仕事を休んで一緒に行っていたそうで、ママさんは一人で連れて行けるようになりたい、できれば他のお母さんたちとも話せるようになりたいとのことでした。
何から始める?
まず、何に困っているのかを聞いてみると、幼稚園からの毎月のお知らせがわからないとのこと。これ、日本人の私でもよく読まないと大事なことを見逃してしまいそうになるものだったんです。ずっと不安だっただろうなと胸が痛くなりました。
必要な情報を読み取れるように、幼稚園でよく使う言葉、年間の行事の名前などの漢字、読み方、意味をプリントにまとめて、一緒に確認してから、実際に幼稚園からのお知らせを見ながら情報を読み取る練習をしました。漢字が読めないので、プリントの言葉を見ながら、同じ形の漢字を探す練習をしました。
何を使う?
それから、親戚が持っていた日本語の教科書があったので、それを使って初級の文法を少しずつ勉強しました。
数年日本に住んでいただけあって、耳に残っている日本語がかなり多く、勉強が進むにつれて、わからなかったことがどんどん繋がったようでした。
「~てください」を勉強した時、「子どもには『来て』『食べて』ですよ」と教えると、「あ~!日本人は『て』『て』と言います。どうして『手』ですか、思いました。『してください』です。今わかりました!」
だれかが子どもに「~して」と言っているのを聞くたびに、「手」?と不思議だったそうです。でも、この「手」が「~して」だと分かった瞬間、世界が広がったのではないかと思います。前にあるのは動詞だったんだ、動詞は形が変わるんだと初めて知ったようです。
勉強したことを幼稚園の事務員さんに披露して会話したり、実際に1人で子どもを病院に連れて行くこともできるようになりました。
勉強する機会がなかっただけで、元々頭の中には聞いたことがある日本語がたくさん入っている学習者でした。
⑤ボランティアで技能実習生に少人数レッスン(初級前半)
どんな学習者?
日本に来た直後の技能実習生が帰国する約3年間教えました。私一人が担当するのではなく、他のボランティアさんと交代でした。
ひらがな、カタカナはだいたい読める、挨拶はできるレベルでした。

どう教える?
一般的な初級の教科書の順番で、主な文型をピックアップして進めました。
ボランティア教室にあるのはホワイトボードのみだったので、当時の日本語学校での教え方を簡略化してレッスンをしていました。
・絵カードを使って導入
・例文を板書→説明
・FCカード、絵カードで口頭練習
・イラストを見ながら簡単な会話練習
仕事で疲れているだろうに、休まずに勉強を継続したとても学習意欲の高い学習者でした。帰国するまでずっと通ってくれました。


