授業いろいろ ~プライベートレッスン編

授業いろいろ ~プライベートレッスン編

留学生に対する日本語授業、教案の情報はネットの中にたくさんあると思います。プライベートレッスンや小中学校の加配教員の授業の情報はそれほどないのではないでしょうか。

私は日本語教師の資格を取ってから、すぐに日本語学校で働き始めたわけではありません。資格を取ってから1年ほど、

・地域のボランティア教室で技能実習生に少人数レッスン

・企業でビジネスマンにプライベートレッスン

・小学校と中学校で取り出し授業(1対1)

その後、日本語学校や技能実習生の研修センターで働き始めてから

・娘の幼稚園で母親にプライベートレッスン

・小学校で放課後に小学生にプライベートレッスン(1対1)

を行いました。

個別の事例ではありますが、私が経験したレッスンを紹介したいと思います。どなたかの授業のヒントになれば幸いです。

①ビジネスマンにプライベートレッスン(中級)

②ビジネスマンにプライベートレッスン(ゼロ初級)

③小中学生にプライベートレッスン(日常会話はできる)

④ボランティアで大人にプライベートレッスン(挨拶程度)

⑤ボランティアで技能実習生に少人数レッスン(初級前半)

 

レッスンの前に

私がしたプライベートレッスンの場合、期間や回数が決まっていることがほとんどでした。相手のニーズを聞いて、カリキュラムを考え、期間内で終えられるようにスケジュールを組みます。

①学習者のニーズを把握して、目標を設定する。

②現在地点から目標地点まで何をすればいいか、具体的に書き出す。

③期間内に終えられるように、予定を立てる。(体調不良、天候不良などで休講になったり、授業内容と学習者のレベルがマッチせずスケジュール通り進まない場合があるので、1回分は余裕を持たせておく。)

 

①ビジネスマンにプライベートレッスン(中級前半)

どんな学習者?どこで?

会社の一室でレッスンをしていました。ホワイトボードがない部屋でした。学習者は敬語を習得したいとのことでした。

向かい合って座って勉強したんですが、必要なことや学習者が聞き取れなかった語彙などは手元の紙に書いて相手に見せていました。教師が書くことはあくまで補助的なもので、これを足掛かりに会話を展開していきました。

 

導入

話は前後しますが、導入には季節感のある話題を準備していました。冬から春にかけて教えていたので、日本列島に曲線と日付が入った桜前線の地図を持って行って、何を表した地図か考えてもらってから、桜の話をしたこともありました。どこに行ったら桜が見られるか、国にも桜があるか、お花見という文化があって、会社でもお花見に行くのか等、話はどんどん広がります。

他には、この1週間何をしたかなど学習者に話してもらいながら、文法や語彙の間違いを修正していきました。

レッスンの流れ

敬語の授業の流れは以下の通りです。

・プリントである場面を提示して、何と言ったらいいか学習者に考えてもらう。

・どんな表現があるか複数提示。それをヒントに他の言い方がないか考えてもらう。

・少しずつ場面を変えて、会話練習をする。

真面目な学習者で、前回までの内容を習得した上で授業に臨んでいました。プライベートレッスンのいいところは、日本語の会話が成立させられるという自信を学習者が持てるようなるところだと思います。授業で学習者が話したい話題の語彙を確認したり練習したりしたあと、会社の日本人と話してみるという練習ができるからです。

 

②ビジネスマンにプライベートレッスン(ゼロ初級)

どんな学習者?どこで?

このレッスンは間接法で行いました。

仕事は英語でしていたのですが、同僚と仲良くなりたい、仕事以外の日常生活で日本語を少し話せるようになりたいとのことでしたので、挨拶から始めました。

ゼロ初級の学習者で、日本語の読み書きはできなくていい、話せるようになりたいとのことだったので、プリントは全てアルファベットで書きました。アルファベットで板書するのは時間もかかるので補助的に使っていました。

レッスンは主に会社で、ホワイトボードがある部屋に通される日もあれば、ない部屋の日もあり、いつもホワイトボードが使えるわけではなかったので、ないことを前提に考えていました。

レッスン内容

授業は日常生活で使える日本語だったので、

・あいさつ

・数字→~円、~時

・簡単なフレーズ→「いくらですか。」「~しませんか。」「~たいです。」等

・生活場面でのフレーズ→レストランでの注文等

・基本的な動詞+名詞、形容詞

自分のことを話したり、相手に簡単な質問ができたりすることを目標にしていました。私より20歳ぐらい年上の学習者でしたが、新しいことを勉強できるのがとても楽しいと話してくれました。勉強した日本語を同僚に披露したり、実際にレストランで日本語で注文したりしていました。

 

③小中学生にプライベートレッスン(日常会話はできる)

どんな学習者?

小中学生のプライベートレッスンの場合は、学校の校長先生や担任の先生が現状をしっかり伝えてくれることが多いです。学校のお友達とは話しているけど、テストをすると全然わかっていないようだ、極端に苦手分野がある、お友達と話せない等、その子どもによって状況は様々です。

担任の先生が授業中に1人にかかりきりにはなれずフォローできない場合が多いようです。ですので、日本語を教えるというより、大人を独り占めする時間を作って、リラックスしてもらう、できることからやってもらう、自信をつけてもらうという意味合いが大きいと感じました。

 

何から始める?

ですので、子どもの好きなことを把握して、子どもが話したいことが何なのかを探ることが大切だと思います。当時はアナログ教具で、動物、食べ物、学校の遊びなどのイラストのカードを持って行って、どれが好きかを選んでもらいました。今ならタブレットで色々なものを見せられると思います。

また、教室ではお友達とほとんど話さないので日本語がわからないようだと聞いていた子どもが、実は恥ずかしがっているとか自信がないだけで、私と2人の時はちゃんと話せるということもありました。少しずつ自信をつけて、お友達や先生と楽しく話せるようになりました。

普段は取り出し授業だったんですが、一度だけ私が教室に行って一緒に授業を受けたことがありました。私が横にいることでやってみようと思ったのか、自分で挙手してみんなの前で発表することができました。

特に小学生は集中力が続かないので、手を変え品を変え、飽きる前に次のことをするということを心掛けました。また少し書いたら、話す。話したら、カードやパズルで手を動かす。座る時間が長くなったら、立って黒板に絵や言葉を書く等です。

 

 

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