初めてのクラスに入る
知らない学生がいるクラスの初授業は、今でもとても緊張します。そして、きっと学生も緊張していると思います。どんな先生なんだろう…という表情を学生はしています。
初めて入るクラスで自己紹介するときは、学生の気持ちが少しだけ緩むように心掛けています。
初めて入るクラスでの自己紹介
担任の先生が紹介してくれるパターンと、1人で教室に入っていくパターンと2パターンあります。担任の先生が紹介してくれる場合は、当然のことながら名前を言って紹介されるのですが、一回で名前を覚えてくれる学生は少ないので、改めて授業が始まってから自己紹介をします。

すぐに名前を言わない
「みなさん、初めまして。わたしはちゃおです。よろしくお願いします。」
わかりやすいですが、あっという間に終わってしまうし、学生の印象にもあまり残らないと思います。
ホワイトボードに大きく漢字で名前を書く
「みなさん、初めまして。私は…」と言って、ホワイトボードに大きく漢字で名前を書きます。黙って書きます。私の名前は簡単な漢字が多くて、2年生のクラスだと、漢字が読める学生が多いので、正解に近い読み方をしてもらえる場合が多いです。

来日直後の学生は「かんじ~」「むずかしい~」「わかりません」という反応が返ってきます。国で漢字を勉強してきていても、漢字には苦手意識を持っている学生が多いので、ここでの学生の反応は、今後の漢字導入をどのようにしていくか、大いに役に立つ情報となります。
私の名前の漢字の中に簡単な漢字「子」があるので、ときどき「こども!」と言ってくれる学生がいます。その時は大げさに褒めます。「漢字がわかりますか。とてもいいですね。そうです!こどもの子です。」
漢字の上に〇を書く
それから、大きく書いた漢字の名前の上に、ひらがなで読み方を書くんですが、ひらがなを書く〇を書きます。これでひらがなの数を暗に伝えてから、ゆっくりひらがなを書き始めます。

ひらがなをゆっくり書くと、途中で何のひらがなを書いているかわかる学生が出てきます。学生は思い思いのひらがなを言ってくれます。
例えば、ゆっくり「あ」を書いていると、2画目あたりで「お!」という学生がいるし、「た」と書いていると、2画目を書き終わったときに「た」「な」と言ったり、「は」「ほ」と間違える学生も出てくると思います。

自己紹介をする
ひらがなを全部書いたら、ゆっくり名前を読んで、「はじめまして、○○です。よろしくお願いします。」と挨拶します。
一緒に勉強する先生の名前を漢字で書いてみようとする学生もいます。ホワイトボードを見ながら一生懸命私の名前をノートに書いてくれます。

質問タイム
このあと、T:「(片手をあげて)しつもん ありますか。」と聞きます。学生が入国直後だとS:「しつもん?」となる場合が多いです。
T:「何歳ですか。結婚していますか。どうぞ~。」と言うと、「あ~、なるほど!」という表情を学生はします。国で勉強してきて、ちょっと話せる自信がある積極的な学生が質問を始めます。少々間違っていても、言い直させたりはしません。やり取りができればOKです。

S:「先生、何歳ですか。」「おいくつですか。」と聞かれたら、私は学生に聞き返します。T:「いい質問ですね~!私は何歳ですか。」すると、学生は「25歳」「30歳」など、オークションのように数字を言い始めます。ジェスチャーでもっと上、もっと上と続けて、本当の年齢をあててもらいます。ちょっとしたクイズのようになって結構盛り上がります。
S:「結婚していますか。」「子どもがいますか。」なども拙い日本語とジェスチャーで一生懸命質問してくれます。私は個人的なことも授業で話すので、自分のことや家族のこと等、聞かれたらほぼ何でも答えます。
年齢とか結婚しているかどうかなど個人的なことは学生にあまり話さないという考え方も先生もいるので、だれでも使えるものではないかもしれませんが、ある程度なら個人的なことを話してもいいという先生はぜひ使ってみてください。
学生の名前を覚える
初めての授業では、授業の流れの中で全員の名前を呼んで顔を見るようにしています。授業の流れの中でというのは、例えば、指名してテキストの例文を読んでもらうとか、練習問題をするときに当てるときなどのことです。
学校や担任の先生によって違うのですが、名簿しかもらえないとか、名前が入った座席表がもらえるとか、色々なパターンがあります。よって、授業の前にうまく名前を覚えられる場合と覚えられない場合があります。

担任の先生が座席表を作っているクラス
可能な限り、名前と席の場所を覚えてから授業に入ります。学生の顔を見て、名前がすぐに出てこなくても、名前と座席の場所がリンクしていると、毎回座席表や名簿を見なくてもよくなります。初回なので、すぐに名前が出てこなかったり、名簿を確認したりすることはありますが。
2回目以降の授業では、座席表を見ずに名前を呼べるようにしておきます。名前と座席の場所をしっかりリンクさせておいた上で、顔もリンクさせていって、顔を見て名前がすぐに呼べる状態にしていきます。
座席表がなくて名簿はあるクラス
座席の順に指名はできないので、名簿順に名前を呼びながら、授業を進めます。予め、空白の座席表を準備しておいて、そこに学生の名前を書いていきます。
ちょっと時間はかかりますが、初回だと割り切って、座席表を作ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。初めてクラスに入るときは、教師も学生もどちらも緊張します。まずはお互いの名前を確認して、少しずつお互いのキャラクターを知っていくといいと思います。

